長距離トラック運送会社は元請けと協力会社どっちが正解?現役ドライバーが語る本音

現役トラックドライバーが元請けと協力会社の違いを解説するイラスト付き解説画像。収入の差は便で決まると紹介。

長距離トラック運転手に転職を考えている方の多くは、まず「会社選び」から始めるのではないでしょうか。

最大手の会社(元請け運送会社)
・一次下請け(協力会社)

どちらに入るべきかと迷うはずです。

結論から言いますと、

大事なのは元請けか協力会社かではなく、

  • どの便に配属されるか

です。

私は大小さまざまな運送会社で働いてきました。

また、運送以外でも製造会社で大企業から中小企業まで経験しました。

その体験を踏まえて、元請けと協力会社の違いについて解説します。

目次

運送会社の元請けと協力会社の違いとは?

大型トラック運転手が元請け会社と協力会社のどちらを選ぶべきか迷っているイラスト

運送会社に就職する際、元請けなのか協力会社なのかによって、待遇が変わる場合があります。

転職をたくさん経験してきた現役トラック運転手の私が、わかりやすく解説します。

元請け=大手企業に直接雇われている会社

元請けの運送会社とは、荷主(依頼主)と直接取引する会社のことです。

元請け運送会社と荷主(依頼主)の関係を示す図解。製菓会社から元請け運送会社へ荷物を直接依頼する流れ。

元請けは荷主と契約し、運送全体の管理や指示を行う立場であり、トラブル時の対応責任が大きいこともあります。

また、製造会社の子会社が運送業務を委託するケースもあります。

製造会社が100%出資した運送子会社に配送を依頼する関係図


自社にトラック車両を持っていなくても、実際の輸送を他社に依頼し、「取り仕切り役」として機能します。

協力会社=元請けから仕事をもらう会社

 協力会社とは、他の運送会社(主に元請け)から業務を委託される会社のことを、運送業界では「協力会社」と呼びます。

運送業界における荷主・元請け運送会社・協力会社の関係を示した図解

上下関係が明確な表現では「下請け」とも呼びます。

元請け(荷主と契約を結ぶ運送会社)
↓(業務を依頼)
協力会社(実際に荷物を運ぶ会社)

協力会社は元請けから依頼されて仕事を行い、ノウハウや拠点のリソースを補完します。

最大手運送会社と違い、協力会社のメリットは自社倉庫を構えなくても良いところです。

自社倉庫を構えずに運営できる協力会社のメリットを説明する倉庫イラスト

元請けと違い、責任の割合も異なります。
(協力会社だからといって無責任で良いわけではありません)

極端に言えば、元請けは依頼を受けた場合、責任が大きくなりますが、協力会社は最悪の場合、仕事を断ることもできます。

ドライバーにとっての違いは「雇用形態」ではなく「仕事の便」

青いトラックと困惑するドライバーのイラスト。配属便が重要で元請けか協力会社かは二の次と説明している画像

長距離トラックドライバーにとって、必ずしも元請け会社が良いわけではありません。

結論を先に言うと、大事なのは「雇用形態」ではなく「仕事の便」。
つまり、元請けでなくても、協力会社で良い便に配属されることが重要です。

このサイトを見ている方の多くは、

  • 人間関係に疲れた
  • コミュニケーションが苦手
  • ひとりで仕事がしたい

といった方ではないでしょうか。

元請け運送会社に入社しても、必ずしも長距離トラック運転手になれるわけではありません。

例えば、日本最大手運送会社は365日・24時間稼働しており、全国各地に自社倉庫を構えています。

倉庫で台車を押す宅配ドライバーが落胆しているイラスト。長距離トラック希望でも倉庫作業や個人宅配になる可能性を表現

そのため、長距離トラックだけでなく、倉庫の仕分けや配車段取りなどの人員も必要です。

また、大型倉庫(全国配送の中継地点)だけでなく、各市町村の営業所における2t車での個人宅配送の仕事もあります。

大型トラックに乗れず2トン車に配属されて残念そうな表情をするドライバーのイラスト

つまり、倉庫の仕分けや配車段取り、2t車での個人宅配送に配属される可能性もあるということです。

長距離トラックの給料・待遇はどちらが良い?

元請けと協力会社のどちらが良いか悩む長距離トラック運転手のイラスト

長距離トラック運転手に転職するなら、元請けか協力会社か、どちらが良いのかという話になりますが、
それぞれにメリット・デメリットがあります。

それぞれ解説していきます。

元請け=安定感あり、でも手取りが低い便もある

元請けのタイガー便に入社したものの、不満そうな表情をするドライバーのイラスト

元請けの運送会社に入れれば、安定感があります。福利厚生も充実しており、大手協力会社よりも中堅の元請けの方が良い場合もあります。

基本的に、元請けが運びたがらない荷物が協力会社に回るため、負担の大きい仕事(ハマりの仕事)が少なく、もらい仕事(比較的楽で条件の良い便)が多いのも特徴です。

比較的楽で条件の良い便を表すイラスト。笑顔の作業員がパレットで荷物を運び、トラのイラストが描かれたトラックが並んでいる

一方、協力会社ではハマりの仕事が回ってくる代わりに、単価が高い便もあるのも事実です。

そのため、条件次第では元請けよりも協力会社の方が稼げる場合もあります。 

協力会社=ピンキリ。良い便を任されれば稼げる

協力会社でも稼げるトラック運行の例を示すイラスト

協力会社(下請け)が待遇が悪く、稼げないとは限りません。

私も大小さまざまな会社で働きましたが、結論を先に言うと、

元請けが良い
・協力会社がダメ

ではなく、どの便に配属されるかが最も重要です。

繰り返しになりますが、このサイトを見ているあなたは、

人間関係に疲れた
・コミュニケーションが苦手
・ひとりで仕事がしたい

と考えている40代・50代ではないでしょうか。

いくら元請けの大企業に入社できても、大型の長距離に乗れず倉庫作業やフォークリフト業務ばかりでは、
前職と同じようにストレスが溜まってしまいます。それでは本末転倒です。

フォークリフト作業に配属されて困惑するドライバー。希望と違う部署で働くストレスを表現。

大型トラックをメインに運行している会社であれば、良い便にハマれる可能性があります。


全国に営業所や支店がある運送会社は、帰り便が安定しているため、稼げる可能性も高いです。

ただし注意点として、協力会社には多重下請けも存在します。

運送業界の多重下請け構造を示す図解|元請けから一次下請け・二次下請け・三次下請けへの流れ

そうした多重下請けの仕事には、十分注意が必要です。

便によっては元請けより協力会社の方が高収入も

大型トラックとドライバーのイラスト|協力会社でも便によっては元請けより高収入になる場合がある

元請け会社と協力会社とどっちが稼げる?という声もあります。

・元請けか?
・協力会社か?

結論を言いますと、

元請け会社?協力会社?ではなく、

配属される便によって変わります。

同じ便なら元請けの方が待遇や収入も良いですが、必ずしも自分の希望の便に入れるわけではありません。

せっかく元請けに入れたのに、稼げない便に配属される可能性もあります。

元請け会社では地場配送で稼げないが、協力会社なら長距離便で高収入を得られる比較イラスト

反対に、協力会社(下請け)でも良い便に配属されれば、元請けより稼げるチャンスはあります。

どの会社に入るか」より「どの便を担当するか」が重要|まとめ

会社選びより便選びが重要と説明する大型トラックと笑顔のドライバーイラスト

長距離トラック運転手にとって大事なのは、元請けか協力会社かではなく、どんな便を担当できるかです。

  • 元請けは安定感があるが、必ずしも稼げる便に乗れるとは限らない
  • 協力会社でも、良い便を任されれば元請け以上に稼げることもある
  • 元請けは倉庫作業や小型トラックの配送に回される可能性もある
  • 協力会社はピンキリだが、良い便を任されれば高収入も可能
  • 元請けよりも稼げる便に当たるケースもある
  • 逆に「多重下請け」など注意すべき会社も存在する
  • ドライバーの収入・待遇を決めるのは「会社の規模」より「便の内容」


結局は「会社選び」よりも「便選び」が収入や働きやすさを左右します。

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